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名前 : 冨山 和彦
性別 : 男
年齢 : 52歳

1984年司法試験合格、1985年東京大学法学部卒。1992年スタンフォード大学経営学修士および公共経営課程修了。
1985年株式会社ボストンコンサルティンググループ入社、2001年株式会社コーポレイトディレクション代表取締役社長、03年株式会社産業再生機構代表取締役専務、業務執行最高責任者(COO)に就任。産業と金融の一体再生を目指す産業再生機構において、事業再生のプロフェッショナル集団を率いる。 07年3月株式会社産業再生機構解散。07年4月、長期・持続的な事業・企業価値の向上を目指し、経営支援サービスを提供する株式会社経営共創基盤を設立。

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冨山 和彦 さんのトピック :2011.09.03 19:54

東北から見る日本経済の今と今後

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日本経済の今の状況を、現場感覚というか、東北地方でバス会社が3社事業をやっている関係から東北を中心に話したい。実は今の日本の経済というのはとっても斑模様である。
アメリカを中心とした世界経済が失速している中で、製造業を中心に非常に厳しい状況にある。円高も進んでいるため、所謂空洞化の圧力も物凄い。しかしながら、もう一方で復興特需なるものがやはりある。この震災からしばらくの間の様々な消費控えや投資控えがある種普通に戻る部分と、復興特需の部分で妙に景気が良くなっているような部分も実際ある。そうなると、ここで危ないのが本来日本経済が抱えている色んな問題、空洞化を促しているような色んな要因がある。構造改革の問題であったり、税体系、TPPの様な自由貿易の話であるとか、改革を必要とする政治的痛みを伴うようなテーマを、復興特需が覆い隠してしまう危険性がある。その間、世界の経済はますます深刻な状況になっていくし、様々な意味で日本は取り残されていくので、復興特需が剥がれる、早ければ一年、長くても三年で剥がれた時に日本経済はもっと厳しい状況になっている可能性がある。あるいは日本の個別企業の経営がそういう状況に直面することになる。よって、復興特需のある種の宴に酔って会社の中の問題を先送りにしたとこと、2、3年後に来る厳しい状況に備え色んな改革を進めていった会社では、差が物凄く開くことになる。
天と地ほどにも開くことになるであろうから、復興特需の宴に酔うことなく厳しい改革を今こそ続けていただきたい。

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冨山 和彦 さんのトピック :2011.05.30 20:10

日本を飛び越え世界で起業しろ

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先月の終に、母校であるスタンフォード大学で開かれた起業家論に関するカンファランスに参加してきた。その中で一つ面白い発表があった。最近、シリコンバレー・ベンチャーキャピタルの資金が大中華圏、中国本土および台湾、香港、シンガポールといったエリアにかなり流れているという話だ。これは実は当たり前のように見えてそうではなく、元々シリコンバレー・ベンチャーキャピタルというのはベンチャーキャピタルの中でもやや特殊で、非常にローカルな、シリコンバレーでのみ行われる投資のモデルであった。セミ・オープン、セミ・クローズドなエコシステムの中で回っていて、世界中から良い人材が集まってくるから成り立っていたモデルだ。それが最近では太平洋を超えてお金が動いている。
これがなぜ起きているのかという研究発表だったのだが、一つの発見事項としては、20年くらい前からの長い歴史の中で大中華圏からスタンフォードに沢山の学生が留学に来ており、そこからYahooのように起業していっている。このように起業して成功した者の中から一部が、そしてそれにつられて留学に来ていた中華系の人々が母国に戻っていっている。彼らは元々シリコンバレーで起業した時に、トップVC達と色んな関係性が出来ていて、その彼らが植民地的に大中華圏にシリコンバレー・コミュニティーを作っており、そこにお金が流れるというモデルになっている。
まず人の動きがあって、それからお金が動くというモデルである。残念ながら中華系の人たちが来る前は、日本人が沢山来てたのだが、日本人は大企業に戻ってしまい殆どが起業していない。したがって現在できているような流れが日本とシリコンバレーの間では起きていない。現在では韓国の留学生も増えているが、日本人同様、大企業に戻ってしまうのでこの流れはできていない。
日本のベンチャーをエンカレッジしようという動きを20年、30年やってはいるが、日本の土壌にシリコンバレーを作るのは時間がかかってしまうし、世界に向けていきなりビジネス展開をできてしまう時代なので、IT系やバイオ・エネルギー系であればむしろシリコンバレーに売り込み、彼らをデビューさせ、トップVCに金を付けさせ、そこで世界デビューさせるほうが、今の時代では通用するのではないか。このように日本を飛び越え、世界で良い人材をデビューさせる流れを作っていった方が有効なアプローチになるはずだ。

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冨山 和彦 さんのトピック :2011.04.19 20:15

経済の停滞を回避するための復興型議論

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震災と関係して経済が非常に停滞してきている。一方で財源をどうするか、増税かという議論がある。その中で大事なのは、この様な時にこそ、企業の投資、あるいは企業活動を活発化させ、特に日本国内で産業立地を維持し、そこで雇用を満たすということが極めて大事である。例えば投資減税や、減価償却、あるいは法人税の減税をこのような時に思い切って下げるということを行うべき時期である。そういう意味で、今現在されている議論は逆向きではないか。
さらに国民家計の観点からすると、日本の家計の大半の金融資産というのは中高年層から高齢者が持っており、且つその殆どが預金や国債に出資している安全資産といった形で有効に使われていない状態である。その一方で、この世代はこれまで大変な政府の債務を作ってきた世代でもあるので、この世代の社会保障費等はこの世代内における所得再分配分でやっていくべきである。あるいはこの世代が所有している資産をリスク資産として活用する、もしくは若い世代に移転していくことで、もっと有効に使っていくことを促すべきである。元々この国が抱えていた世代間格差の問題や、有効に資金が使われていないという問題は、今こそ前向きに解決されるべきで、現在やや縮小均衡的な増税の議論がされているが、それでは停滞した、もっと悪い状態に戻るだけなので、もっと復興型の議論を進めるべきである。

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冨山 和彦 さんのトピック :2011.03.25 15:17

復興へ 被災地に見る日本の誇るべき現場力

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東日本大震災からの復興へ。今、現地では被災地の方々も救援の方々も、原発問題と戦っている方々も、すべての人々が勇気を振り絞って生き抜こう、戦い抜こうとしている。
その中に、私がCEOを務める経営共創基盤のグループ子会社である3つの主要バス会社、福島交通、茨城交通、岩手県北自動車の姿もある。
現在、広域激甚災害に見舞われた被災地において、バス会社はほとんど唯一の公共交通ネットワークとして機能しており、岩手県北自動車の運行は激甚被災地の宮古においても実に90%まで復旧している。また、東京と現地を結ぶ高速バスも大幅な増便を実施し、震災直後まもなく始まった原発事故による周辺住民の一斉退避についても福島交通、茨城交通のバス75台が主力となり人々の輸送を行った。他にも医療スタッフ、国際救援チームの移送、仮眠室の提供など獅子奮迅の健闘を現地で続けている。
この間、実は現地での燃料不足は当初から深刻であり、それが被災地に重大な問題を及ぼすことは様々なルートを経由し極めて早い段階から政府中枢に上がっていたはずである。しかし、石油備蓄の大幅な取り崩しが発表されたのは地震から一週間近く経ってからであったし、原発周辺からの退避についてもしっかりとしたオペレーションプランがあらかじめ用意されていたとは当事者として到底思えない混乱ぶりであった。
こうした問題は他にもたくさん明らかになってくるであろうが、落ち着いた時点で今後の為に、なぜこんなことになってしまったのか、どうすれば将来に向けて再発を防ぐことが出来るのか、厳しい反省を行う必要がある。
ただ、この間も被災地で頑張っている人々は本当に素晴らしく、助け合いつつ懸命にこの困難に立ち向かっている。私たちも震災後すぐに現地要員を増員し、地元の方々と奮闘を続けている。みるみる燃料が欠乏していく中、それでも運行を続けることが出来たのは、心ある現場のネットワークのおかげである。
政府がようやく被災地での燃料不足解消の為に国民に買い控えを要請したのが3月16日、震災から5日後であったが、この時既に道路等の復旧作業に関わる人々の努力の下、バス会社職員が盛岡から激甚被災地宮古への定期ルートも復興させていた。宮古への第一便には物資を目一杯抱えた若者達も親や親戚の救助の為に乗り込んでいたが、宮古到着時、現地の人々との再会の光景は本当に感動的なものであった。その再会がどれだけ現地の人々を勇気づけたか、定期バス路線という1本の線で盛岡、東京、さらには日本全体へと繋がることがどれだけ現地の人々を安心させたか。
きっと同じような現場の踏ん張り、助け合いが被災地のあちらこちら、日本のあちらこちらで起きているのではないだろうか。
やはり、日本の現場力は素晴らしい。私たちはもっと自分たちが日本人であることを誇りに思って良いと思う。
最後に、動画をご覧の皆様も、それぞれに大変な状況かと思いますが、しかし今こそ世界に誇るべき日本の底力を見せる時です。お互いに支え合い、力を合わせて、この難局を必ずや日本再生の出発点にしていきましょう。

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冨山 和彦 さんのトピック :2011.02.04 11:35

これからの経営に必要な"挫折力"とは

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今回、『挫折力』という本を出させて頂いた。
このところ景気の回復感が出てきているが、今後中長期的に見れば、世界経済、日本経済ともに、安定的な成長は望めず、ボラティリティ、変動要素の多い時代となっていくであろう。その中で、挫折に出会うことも多々あるのではないだろうか。
そこで、産業再生機構時代、自身も含め様々な挫折を見てきた立場として、そのような挫折といかに付き合っていくのか、いかに乗り越えるか、についてヒントになればとの思いからこの本を執筆した。
若い世代、これから中間管理職も含め経営に真剣に取り組んでいく人々にぜひ参考にして頂きたい。

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冨山 和彦 さんのトピック :2011.01.02 08:38

2011年の経済はどうなるのか?

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来年の経済はどうなるのか?ポリシーウォッチメンバー内でも、若干意見が分かれたこのテーマに関して、マクロ的観点(フェルドマン)、ミクロ的観点(冨山)からの予想を議論した。

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冨山 和彦 さんのトピック :2010.12.10 16:37

開国か鎖国か、日本に問われている政策の軸

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政策をめぐるこの国の形を考える時、国論が分かれる大きな枠組みとは、国を開くか、閉じるか、という軸による枠組みではないだろうか。
今、我々が直面している問題は、もう一度開国モードに持って行くのか、という問題であろう。TPPはもちろんのこと、小泉時代の郵政問題も、その軸から論ずるべき問題なのではないかと考えている。
現在の日本の経済のシステムは、工業製品の原材料の輸入とその加工製品の輸出に限って解放するという"限定開国モデル"であるが、戦後60年を越え、制度上の疲弊は明らかであり、世界的に通用しなくなってきている状況である。
そのような中、日本人はおそらく、理性的には開国の必要性を分かっているのではないだろうか。開国しなければ、公的債務という形で将来にツケが回されていくことは明らかである、ということも分かっているのではないか。
だが、日本の村社会的特色が、理性では分かっていてもその決断に踏み切れない要因となっている。しかし、例え開国モードになったとしても、日本の伝統、強み、アイデンティティーは世界の中でその力を必ずや発揮するであろう。このような状況下であるからこそ、日本が自信を持って、開国へ向かっていくことを期待する。

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冨山 和彦 さんのトピック :2010.03.11 13:59

今後の日本経済の展望

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近頃、大手製造業に代表される輸出型産業の業績が上向いてきている。
これは景気の底期に各社が猛烈な固定費削減を行い、かつ中国を中心とした需要の回復が重なった為である。
しかし、その固定費削減は主に、国内の製造ライン、関連会社の整理で行った為、国内産業の空洞化が急激に進行している。さらに、政府の反成長戦略ともとれる政策スタンスによって、その空洞化はより加速化している。つまり内需は依然として回復しないことが予想される。
今後、経済状況・企業業績は戻るように見えるが、国内の所得、生産、雇用状況はますます悪化する可能性があるのではないか。

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冨山 和彦 さんのトピック :2010.03.03 23:52

JAL問題の今後はどうあるべきか

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既に様々なメディアの報道にもある通り、JALに対して政府は大きな救済介入をしている。裏を返せば、それだけの救済策をとらなければならないほど、JALの経営状態は追い込まれていたということだ。
JALが公共交通の方法として大きな役割を果たしていることは確かであるが、この介入によって、市場に歪みを生じさせてしまうこともまた明らかである。
よって政府は、JALを半永久的に国有化し、てこ入れを続けるようなことをするのではなく、競争の制度を設計して、民間秩序の中で持続的に発展していく航空産業の形を描くことが重要な役目となるであろう。